あらゆるものに徳はある…Nさんの投稿3
Nさんの投稿2 より
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🔳 【二宮尊徳】は天明7年(1787)相模国足柄上郡栢山村(小田原市)の農家に生まれ、
通称金次郎という。 14歳で父を、16歳で母を亡くし、伯父の家に引き取られた金次郎は、
日夜一生懸命に働き、暇を惜しんでは勉学に励み、 弱冠24歳の時、独力で一家を再興した。
🔳 小田原藩家老・服部家の財政建て直しにも成功するなどして、
高い才能を藩主・大久保忠真公に認められ、 文政5年(1822)野州桜町(現・二宮町、一部は真岡市に属す)復興の命を受け、
翌6年(1823)田畑・家財等をすべて売り払い、 一家そろって桜町陣屋に赴任。
🔳 当時の桜町は、小田原藩大久保家の分野で旗本の宇津家の所領であり、
4000石といわれていたが、 実質は1000石にも満たないほど田畑は荒れ果てて、農民の心も疲れきっていた。
尊徳は早朝から一軒一軒訪ね歩き、勤勉を勧め、農具を与えるなどして盛んに表彰を行い、
農民たちの心に出精心を引き起こそうと努めた。 また、自ら先頭に立ち、用水路や堰や橋などの改修を行った。
最初は暗礁に乗り上げていた仕法も次第に実を結び、桜町は実収3000俵を超える豊かな村に生まれ変わった。
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🔲 至誠:至誠とは真心であり、「我が道は至誠と実行のみ」という言葉の通り、
尊徳の仕法や思想、そして生き方の全てを貫いている精神です。
🔲 分度:人は自分の置かれた状況や立場をわきまえ、
それにふさわしい生活を送ることが大切であり、収入に応じた一定の基準(分度)を設定し、
その範囲内で生活することの必要性を説きました。
🔲 積小為大: 小さな努力の積み重ねが、やがて大きな収穫や発展に結びつくという教えです。
小事をおろそかにする者に、大事が果たせるわけがないと尊徳は考えました。
🔲 勤労:人は働くことによって、生産物を得て生きていくことができる。
また働くことを通じて知恵をみがき、自己を向上させることができると説きました。
🔲 推譲:節約によって余った分は家族や子孫のために蓄えたり(自譲)、
他人や会社のために譲ったり(他譲)することにより、人間らしい幸福な社会ができると尊徳は考えました。
🔲 一円融合:✔️全てのものは互いに働き合い、✔️一体となって結果がでるという教えです。
例えば、植物が育つには水・温度・土・日光・養分・炭酸ガスなど、
✔️いろいろなものの徳が融けあって一つになって育ちます。
二宮尊徳は、物や人のもっている「よさ、とりえ、持ち味」のことを『徳』として、
その徳をうまく使って社会に役立てていくことを『報徳』とよびました。
尊徳は、「あらゆるものに、徳はある」と考えました。これを『万象具徳』といいます。
この『万象具徳』について、小田原の報徳博物館元館長の佐々井典比古氏はつぎのような詩で表現しておられます。
『万象具徳』
どんなものにも よさがある
どんなひとにも よさがある
よさがそれぞれ みなちがう
よさがいっぱい かくれてる
どこかとりえが あるものだ
もののとりえを ひきだそう
ひとのとりえを そだてよう
じぶんのとりえを ささげよう
とりえととりえが むすばれて
このよはたのしい ふえせかい
(※)「ふえせかい」とは増え世界(限りあるものから限りないものが生み出される)のこと
続く