不動産事業としての企業戦略
多くの⼈が誤解していますが、ファストフードチェーンやエンターテインメント企業、⼤⼿書店チェーンなどの⼤⼿企業は、実は不動産管理会社としての側⾯が⾮常に⼤きいのです。
あるエンターテインメント企業では、タレントがメディア出演し、多額の出演料を得ますが、その利益をもとに不動産事業を拡⼤しているというビジネスモデルがあります。
⼤⼿書店チェーンも、実は不動産事業が本業です。上場企業にとっては、不動産も含めて価値が評価されます。
また、あるビール会社の買収が狙われた際、その⽬的はビール事業ではなく、価値のある⼟地の取得でした。ビール事業⾃体には特に興味がなかったのです。
要するに、当社グループの店舗も含め、すべて不動産事業としての転換が進んでいます。
では、なぜ不動産事業に切り替えが可能なのでしょうか?もし私が銀⾏員であれば、その企業の貸借対照表(BS)を⾒る際、⼀番重要なポイントは「在庫」です。この在庫こそが、企業の命取りになる可能性があるからです。在庫を持ちすぎることは⾮常に危険です。
⼤⼿書店チェーンも、在庫は全て店舗の棚に並んでいるのみです。そして、在庫が増えたら、新しい店舗を出店するという戦略を取っています。新しい場所に出店することで、特定の商品が再び需要を得るのです。
既存の店舗に置いておけば、お蔵⼊りしてしまう商品でも、新しい場所に持っていけば、新たな需要が⽣まれるというわけです。